pros(良い点)cons(悪い点)
夢の中でずっと空を飛んでいた。何かに乗っているのか、自分の意志とは無関係に空を飛んでいるだけだった。急に目の前が明るくなりあたりを見回すと、そこは広大に広がる草原だった。でも、何も思い出せなかった。私が誰なのか、名前は何なのか。
光が入り込んでくる入り口からは厳しい吹雪の音が聞こえてきたが、掛けられた布のおかげで寒くなかった。後に知ったその布は熊の皮で作られたマントで、私がいたのは小さな洞窟だった。マントを掛けたまま洞窟を出ると、何となく温かい南へ向かった。何故その場所に行かなければならないのか分からなかったが、そこへ行けば記憶が戻るような気がした。
最初に辿り着いた場所で雪の村から出てきたような姿の氷像が目に入った。マントを脱いだ私と瓜二つだった。その場所の住人たちは私を神の化身と恐れ慄き、極寒の守護者グラシーヴと呼んだ。遂に私の名を知るに至るも、依然として記憶は戻っていない。
-グラシーヴの記憶の手紙-
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