次の部族長として挨拶をするために,私が初めて女神グリナスのもとを訪れた日,部族の者たちがなぜここまで女神を賛美するのかを理解した。
短い生を生きる人間には,決して真似することなどできない,その神秘的な美しさ。彼女を見るだけで自然と頭は垂れ,祈りたいという気持ちになってしまう神々しさ。私は彼女から目を離すことができなかった。
私はその日から,何かと理由を付けては神殿を訪問した。部族長などという肩書きは気に入らなかったが,自分の地位を利用すれば,簡単に女神に会うことができる。そのために,部族の些細な問題まで相談しに行った。私は段々と,彼女の神官たちが見守る中で行われる短い会話だけでは,満足を覚えないようになっていった。
他の場所で,他の方法で彼女に会いたい。もはや,自分を抑えることはできなかった。神殿が訪問を受け付けていないある日,私は神官たちの目を盗み忍び込んだ。
暖かい陽の光の下で,女神は眠っていた。私は気になった。彼女は息をしているのか,ぬくもりはあるのか,心臓は動いているのか。ふと気づくと,彼女に手が届くほどの距離まで近づいてしまっていた。私は,思わず眠っている彼女の唇に惹かれ,頭を下げた。唇に近づいた刹那,燃える炎が私の顔を殴りつけた。女神の恋人の神,テラストーンの怒りが,私の顔を燃やしたのだ。
痛みで地面を転がっている私に,テラストーンは最後の一撃を加えようとした。それを阻んだのは,私の異母兄弟のウンバクンバだった。彼は神の怒りをなだめ,私を神殿から逃げるように連れ出してくれた。私はウンバクンバに救われた。彼はなんてことをするんだと怒っていたが,私は眠っていた彼女の横顔を忘れることができなかった。
傷がある程度治り,動けるようになってから,私は再び神殿を訪れた。しかし,私は神殿に入ることは許可されていなかった。神殿を覆うオーラが,私を拒んだのだ。目に見えない壁に遮られ戸惑う私を,他の参拝者は蔑んだ目で見ていた。私は拒否されていることが理解できず,泣き叫んだ。そこに現れたのは,ウンバクンバだった。彼は私に,女神のことは忘れろと言った。女神は皆のものであり,誰かが独り占めできる存在ではないのだ,と……。
そんな馬鹿な……女神は,皆の女神だ。女神が皆のものであるというのであれば,当然私のものでもある。皆と同じように,私が会いたいときに女神は私に会うべきだ。女神は当然私を慰めなければならないし,女神も私に会いたいはずだ。
母が子供に対してそうであるように。女性が恋人に対してそうであるように。だが,そうではないというのか……?なぜ,私を拒否する……?私の……私だけの女神でないというのであれば……。女神よ……お前など……存在しない方がいい……。
絶対に唱えてはならない古き魔法が存在する。すべて生け贄に捧げ,神をも倒すといわれる強大な呪いの魔法……。母と父,子供,老人,戦士,女性,魔術師,病人,地を這うもの,空を飛ぶもの……。私が生まれ育った地で生きている全てのものを生け贄に捧げる古き呪いの魔法。
女神。私の女神,グリナス……。この呪いが彼女と彼女の恋人を見つけたときに,彼らはどう思うのだろう。そのときに感じるであろう絶望を,私は心から待っている……。
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